絵本のある子育て

小さなパン喫茶をひらいて、もうすぐ3ヶ月。
あっという間に月日が過ぎ、季節は真冬から春を迎えようとしています。

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mother tree のパンを買いに、足を運んでくださったお客さまたちが、
ちょっと立ち寄って一息いれたり、
お友だちとおしゃべりしたり、
パンをかじりながらお子さんと絵本を読んだり…。
そんな居心地のいい、ささやかなスペースがほしくて、
喫茶小屋を作りました。

お友だち同士、ランチに訪れてくださる方々。
小さな赤ちゃん連れ同士で集まり、
子育ての息抜き(?)にわいわいとお茶&おしゃべりを楽しまれる方々。
予約したパンを取りにきたついでに、
お一人でゆったりと、アフタヌーンティータイムを過ごされる方。
ママとお子さんのカップルで訪れ、パンと絵本を楽しむ方々。

みなさんがそれぞれのやり方で、喫茶を楽しんで下さって、
とても嬉しく思います。
パン屋さんに、喫茶なんて必要かな?
何度も悩みましたが、
やはりこのスペースを作ってよかったと、
心から思っています。

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喫茶の本棚に並ぶ絵本たちは、
私が二人の息子の子育てを通して、
一冊ずつ集めていったもの。
子どもが読んでも大人が読んでも面白い絵本たちが、
みなさんに手にとっていただける時を、静かに待っています。

子どもと遊んであげたり、かまってあげたり、
正直言って、私はそんなことが苦手な母親でした。
でも、絵本を読んであげることだけは、とても楽しく、
読んであげるというよりも、
絵本を通して私も子ども時代に帰ったような気分で、
毎日絵本を読み続けました。

絵本は“心の栄養”。
文字を知らない幼いころに、たくさんのファンタジーに出会い、
昔話や民話の懐かしい世界、
伝説や叙事詩の不思議な世界、
わくわくする冒険の世界にどっぷりとつかり、
心の中に豊かな世界を築いた子どもたちは、
しなやかな強さを心に秘め、大人になっていくでしょう。
このギスギスした厳しい社会で、
どんなにつらいことがあっても、
目に見える周囲の世界をどんなにつらく感じても、
遠い昔に読んでもらった絵本の世界が、
その子に元気をあたえてくれるような気がします。

お子さんが元気がないとき、しずみこんでいるとき、
親はどうすればいいのでしょう。
「どうしたの? 何があったの?」と
私たち母親は、ついつい根堀り葉掘り聞いて子どもを追い詰めてしまいがちですが、
そんなときこそ、美味しいご飯やおやつを作ってあげること、
そして、いっぱい絵本を読んであげて、心に栄養をあげること。
私の短い子育て経験から振り返ると、それが一番だったような気がします。
絵本は、悲しみを吹き飛ばすような楽しいものでもよいし、
憂鬱なときは、静かで悲しい絵本を読み、
主人公の悲しい気持ちによりそい、存分に悲しみにひたることで、
逆に元気を取り戻したりします。
何の力もない私が、絵本の力にどれほど助けられてきたことでしょう。
子どもの成長とともに、さまざまな絵本に出会い、
私自身、心がうるおい、たくさんの元気をもらってきました。
絵本は、大人の心にも、不思議な力を注いでくれます。

パン喫茶に立ち寄られた際は、
どうぞ本棚の絵本たちを、のぞいてみてください。
あなたの心を元気にしてくれる一冊が、見つかりますように。
by mother-tree | 2011-02-10 12:25 | 徒然に…
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